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17時間目 [消費税と調整対象固定資産 ]

2010年07月20日(火) テーマ:消費税
『調整対象固定資産』って聞いたことはありますか?

調整対象固定資産とは、棚卸資産以外の一定の資産で、
税抜きの金額が100万円以上のものをいいます。

前回、免税事業者でも、
課税事業者になるための届出書を提出することによって、
課税事業者になれると説明しました。

例えば、
開業1年目に多額の設備投資をしたものの、
売上があまりなかったりする場合は、
あえて課税事業者になることで、
大きな額の消費税を税務署から還付してもらえることになります。

ただ、これらの調整対象固定資産を、
購入した翌々期にまだ保有している場合で、
一定の条件に当てはまるときは、
還付してもらった消費税の一部を、
再度税務署に返さなければならないルールがあるのです。

ここで、頭の良い方は考えました。
これも前回お伝えしましたが、
課税事業者を選択すると2年間は免税事業者に戻れません。
だけど3期目に免税事業者であれば、
申告する必要がなくなるので、
調整対象固定資産に対する消費税を再度返さなくていいと。

つまり、1期目に消費税の還付を受け、
3期目に免税事業者になることによって、
税務署に再度消費税を返すことなく、
還付を受けたままで終わらせることができたのです。

これまではできたのですが・・・・・。

今回の税制改正によってこの方法は使えなくなりました。
なぜなら、課税事業者を選択して、
課税事業者が強制される2年の間に調整対象固定資産を購入した場合は、
3年間、免税事業者に戻れなくなったからです。

まさに、この方法を阻止するルールです。

税理士はいろいろな節税方法を考えますが、
あまりに広まると、一つずつつぶされていくものなんです。

ちなみに、
3期目に簡易課税制度を適用する方法もありましたが、
この方法も使えなくなりました。

もしかしたら、
今後、税理士にこのような節税方法を提案されることがあるかもしれませんが、
平成22年度の税制改正を踏まえた提案なのかどうかを、
しっかり確認してください。

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