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250時間目 [ インボイス制度への対応 ~買い手側~ ]

2021年11月01日(月) テーマ:消費税
みなさん、こんにちは。

前回は、
インボイス制度に関する、
適格請求書発行事業者の登録申請手続きについて
お伝えしました。

インボイス制度への対応は、
この登録申請手続きだけではありません。

今回は、
買い手側、
つまり、経費等を支払う側としての、
インボイス制度への対応について、
お伝えしていきます。

取引先から請求書を受領した際に、
その請求書が、
適格請求書ではなかった場合、
支払う側は、
消費税の仕入税額控除ができないことになります。

前回お伝えした通り、
一定期間は経過措置がありますが、
いずれにしてもこれまで通りの仕入税額控除はできません。

例えば、
税抜100万円、消費税10万円、税込110万円の請求の場合、
取引先へは110万円を支払います。

現状は、
支払った側が消費税の課税事業者であれば、
消費税の10万円は仕入税額控除できることから、
消費税の納付額が10万円減額(もしくは還付)され、
実質的な負担は100万円です。

しかし、
インボイス制度が始まり、
この請求書が適格請求書ではなかった場合は、
消費税10万円の仕入税額控除ができなくなり、
消費税の納付額は減額されなくなります。

つまり、
実質的な負担が110万円となり、
現状よりも消費税10万円分、
負担が増えることになるのです。

そのため、
事前に取引先へ、
適格請求書発行事業者であるかどうかを確認し、
もし適格請求書発行事業者ではない場合は、
負担の増える消費税分について、
「取引先への減額交渉」や、
「取引先の変更」、
「負担を受け入れる覚悟」など、
事前の検討が必要になります。

特に、
家賃や駐車場代など、
毎月請求書を受領していない取引先があると思いますが、
それらの取引先へは、
必ず確認が必要です。

また、適格請求書発行事業者は、
一度登録した後、やめることも可能ですので、
取引先への確認は、
一度確認した相手先も含め、
今後、ず~っと続けなければなりません。

みなさんが、
免税事業者である場合や、
簡易課税制度を適用している場合は、
これらの確認は必要ないかもしれません。

しかし、
多くの会社は、
これらの確認作業の手間が続くことになります。

登録された適格請求書発行事業者は、
ホームページで確認することもできますが、
毎回確認することを考えると、
作業的な負担は大きいでしょう。

確認を怠ったことで、
消費税の申告書における仕入税額控除の金額に間違いがあり、
追加で納付することになると、
ペナルティも生じてしまいます。

将来のリスクを考慮して、
確認作業の洗い出し、
確認作業の担当者の専任と教育、
取引先への確認、
適格請求書発行事業者ではない取引先への対応など、
インボイス制度が始まるまで準備は結構大変です。

インボイス制度が始まってから慌てることのないよう、
これからの約2年の間に、
事前対応を少しずつ進めていきましょう。

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