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104時間目 [ 貸倒損失の計上時期 ~中小会計要領~ ]

2012年11月05日(月) テーマ:法人税
みなさん、こんにちは。

本日のテーマは『貸倒損失』です。

この『知って得する税金講座』において、
これまでにお伝えしてきたとばかり思っていましたが、
実はまだ『貸倒損失』はお伝えしていなかったのですね。

取引先が倒産したり、
倒産していなくても入金が滞っていて、
入金してもらえる気配が全くないなどといったことに、
直面するケースがあると思います。

このような場合に、
「売掛金等を帳簿から消して費用としたい」といった
ご要望をいただくことがあります。

会計上、売掛金を消すことは可能ですが、
正しい会計基準に沿った経理処理や
税務上のルールに基づいた経理処理をするのであれば、
売掛金等を帳簿から消す前に、
事実をしっかり確認する必要があります。

まず、貸倒損失に関する
正しい会計基準とはどのようなものなのでしょうか。

これについては、
平成24年2月1日に公表された、
「中小企業の会計に関する基本要領」をご覧ください。

中小企業の方々については、
この基本要領の内容をベースに
お考えいただいて良いと思います。

この「中小企業の会計に関する基本要領」では、
次のケースの場合に「貸倒損失」を計上することとしています。

①倒産手続き等により債権が法的に消滅したとき
②債務者の資産状況や支払能力等からみて、
  債権が回収不能と見込まれるとき

①については、
倒産手続き等の状況から、
債権が消滅したことが明らかになりますので、
「貸倒損失」の計上に悩むことはないでしょう。

ただし、②については、
実際法的には債権が消滅していないため、
債務者側の状況を明確に把握することが必要となります。

また、回収不能と判断した根拠や、
その証拠となるものを残しておくべきでしょう。

いずれにしても、
このようなケースの場合は、
会計上、売掛金等を帳簿から消すとともに、
「貸倒損失」を計上して良いことになります。

少し長くなりましたので、
税務上の取り扱いは次回ご説明することとします。

今回の内容と比較してみてくださいね。

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