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169時間目 [ 相続税の配偶者控除の落とし穴 ~具体例~ ]

2015年09月08日(火) テーマ:相続税・贈与税
前回は、
「相続税の配偶者控除の落とし穴」について、
概要をお伝えしました。

実際にどういうことなのか、
分かりづらい点もあると思いますので、
今回は具体例をあげてみていきましょう。

【具体例】
〔財産と相続人の状況〕

・夫の財産は1億5,000万円
・相続人は妻と子供が2人

〔最初の相続:夫が亡くなったとき〕
・課税遺産総額
 1億5,000万円-基礎控除4,800万円=1億200万円

①財産はすべて妻が相続
 妻の相続税:0円

②財産は妻が1/2、子供が1/4ずつ相続
 妻の相続税:0円
 子供の相続税:各3,325,000円
 合計:6,650,000円

〔2回目の相続:妻が亡くなったとき〕
・子供が1/2ずつ相続

①の場合
 課税遺産総額
 1億5,000万円-基礎控除4,200万円=1億800万円
 子供の相続税:各9,200,000円
 合計18,400,000円

②の場合
 課税遺産総額
 7,500万円-基礎控除4,200万円=3,300万円
 子供の相続税:各1,975,000円
 合計3,950,000円

①の場合の相続税総額は18,400,000円、
②の場合の相続税総額は10,600,000円。

よって、
②の方が780万円の節税となります。

どうでしょう。
最初の相続のことだけを考えると、
①が600万円以上も有利ですが、
最初と2回目の相続を合わせると、
②が有利になります。

当然、実際にはこのように単純にはいきません。
最初の相続の後に、
節税対策を考えるという方法もあるでしょう。

ひとつ言えることは、
最初の相続のことだけを考えて、
安易にすべての財産を配偶者に相続させると、
後々、思わぬ税金が発生する可能性があるということです。

相続税の配偶者控除の落とし穴、
お分かり頂けましたでしょうか。

ぜひ参考にしてください。

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