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97時間目 [ がん保険(終身保障タイプ)の保険料 ~終身払込の場合~ ]

2012年07月16日(月) テーマ:法人税
さて今日も『知って得する税金講座』を始めましょう。

今回は『がん保険』についてです。

法人が契約したがん保険の保険料は、
そのような契約内容であっても、
すべて費用にして良いと思っていませんか?

確かにがん保険は、
支払った保険料が、
すべて費用にできる保険商品と
認識されてきました。

ただ、それをうまく利用して、
節税を図っているケースが多いことや、
実際、解約などをした場合に、
多額の解約返戻金が生ずるものもあることなどから、
国税庁が、
すべてのがん保険の保険料を
全額費用とするのは適当ではないと判断し、
今後のがん保険の取り扱いを明確にしました。

今回お伝えするのは、
「保険期間が終身タイプのがん保険」についてです。

保険料の払込期間によって取り扱いが異なるため、
最初に「終身払込タイプ」についてご説明しましょう。

「保険期間」と「保険料払込期間」を混同することなく、
頭を整理してから、
この後の内容を聞いてください。

保険料の取り扱いについては、
まず、払込期間を「前払期間」と
「前払期間経過後の期間」の2つに分けます。

「前払期間」とは、
加入時の年齢から105歳までの期間のうち、
加入時からこの期間の50%が経過するまでの
期間のことをいいます。

例えば、加入時の年齢が45歳の場合は、
45歳から75歳までの期間が前払期間となります。

「前払期間経過後の期間」とは、
前払期間の後の期間となります。

終身払込の場合の「前払期間経過後の期間」は、
105歳を過ぎても続きますのでご注意ください。

それぞれの期間の保険料の取り扱いは、
次のとおりです。

【前払期間】

 ①支払保険料のうち、
  1/2を資産計上、1/2を費用とする

【前払期間経過後の期間】
 ②支払保険料は全額費用とする
 ③前払期間に資産計上した金額のうち、
  次の算式により計算した金額を取り崩して費用とする

  資産に計上した金額×(1/(105-前払期間経過年数))

算式にある「前払期間経過年数」とは、
加入時年齢に前払期間の年数を加えた年齢のことです。

③は資産に計上した金額を、
105歳まで均等に按分して費用にしていくことになります。

全期間を通じて難しい計算はありませんが、
前払期間がいつ終了するかを
しっかり把握しておくことが
重要なポイントとなります。

いずれにしても、
支払う保険料が全額費用となるのではなく、
当面は半分だけしか費用にできなくなりますので、
これまでと比較すると、
節税効果が低くなることは確かです。

これらの取り扱いは、
平成24年4月27日以後の契約について適用されます。

長くなりましたので、
「有期払込タイプ」については、
次回お伝えすることにしましょう。

保険商品に関する税務上の取り扱いは、
時代により変化します。

保険契約時の状況をよく理解した上で、
会社としてどのような保険に入るべきかを
考えてみてください。

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